0019 私のお兄ちゃん

『わたしの兄妹』三年二組 如月玲奈

私にはお兄ちゃんと妹がいます。
お兄ちゃんは高校二年生で、妹の舞奈はこのあいだ生まれたばかりです。
舞奈が生まれてから、お母さんはいつも忙しそうです。舞奈が泣いたりおむつにおしっこをしたりするからです。私はお母さんがあんまり一緒に遊んでくれなくなってさびしいですけど、がまんしています。だってお姉ちゃんだからです。お姉ちゃんになったから、舞奈の世話を手伝ったりします。
でもお兄ちゃんは、お母さんが構ってくれなくなって少し変わってしまいました。まるで赤ちゃんみたいにオネショをするようになったんです。お母さんは『赤ちゃん返り』っていうのよって教えてくれました。
私だってさびしいのに、お兄ちゃんだけずるいと思ったけど、私はお姉ちゃんだから頑張ることにしました。お兄ちゃんみたいにはなりたくないからです。
お兄ちゃんが毎日オネショするようになったので、お母さんは大変になりました。なので、私はお兄ちゃんも舞奈と同じようにオムツをすればいいのにと言いました。
ママは「いい考えね」と言って、お兄ちゃんにも寝る前にはオムツをするようにさせました。お兄ちゃんは凄く嫌がりましたが、お父さんにも言われてオムツをすることになりました。
夜寝る前に、お母さんはお兄ちゃんと舞奈をお布団に寝かせて一緒にオムツをあててあげます。お兄ちゃんは自分で出来ると言いましたが、一度自分でしたときにオムツからおしっこが漏れたので、それからはお母さんがオムツをあてることにしました。
初めのころは私も、お兄ちゃんが恥ずかしいと思ってなるべくオムツをあてるとこは見ないようにしていました。けれど、お兄ちゃんのオネショがいつまでたっても治らないので、最近はお母さんに言われて、私がお兄ちゃんのオムツをあてる役をしています。
お兄ちゃんは高校生にもなって、小学生の妹にオムツをあてられて、凄く恥ずかしそうにしていますが、お母さんは「恥ずかしかったらオネショ治しなさい」って言うんです。
私は初めは嫌でしたけど、最近は恥ずかしがるお兄ちゃんが少し可愛く思えてきました。それにお母さんと並んで一緒にオムツをあてていると、ちょっぴり大人になった気分になれるから嬉しいです。
オムツをするようになってから、お兄ちゃんは少しおとなしくなりました。前は私を時々いじめたりしたのがうそみたいです。私も毎朝お兄ちゃんのよごしたオムツを外してあげているうちに、私の方がお姉ちゃんの気分になってきました。それで今ではお兄ちゃんの事を「こうた」って呼び捨てにするようになりました。逆にお兄ちゃんには私の事を「玲奈お姉ちゃん」と呼ぶようにさせました。だってまだオムツもとれない子がお兄ちゃんなんておかしいからです。
お母さんは「このままオムツがとれないと幼稚園からやりなおしさせるわよ」っていつも言っています。私もお兄ちゃんはもう一度幼稚園か保育園に行った方がいいと思います。
私はこれからは、一番上のお姉ちゃんとして弟と妹を可愛がりたいと思います。



「玲奈の作文、コンクールで入賞したんですって。良かったわね」
「うん、『お姉さんになった自信と意欲がとても読み取れます』って褒められたんだよ」
「そっか、本当に玲奈はよくやってくれてるもんね。それに比べてお兄ちゃんたら・・・」
「お母さん、お兄ちゃんじゃなくって『こうた』だよ。私の弟の『こうた』なんだから」
「んふふ、そうだったわね」
「うん、でも本当に赤ちゃん返りしちゃうなんて思わなかったな。あっ、お母さん!こうたが泣いてるよ」
「あらほんと、きっとおしめが濡れたのね。それともミルクかしら?」
「ミルクはさっき私があげたから、きっとオムツが濡れてるのよ。私替えてくるね」
「ありがとう、玲奈のおかげで本当に助かるわ。じゃあお母さんは、お兄ちゃんじゃなくって、こうたの転入届けを出してくるから。高校から幼稚園へのね」
「受け付けてもらえるといいね」
「きっと大丈夫よ、幼稚園の園長さんはママのお友だちだから」
「でも、お兄ちゃん17歳にもなって幼稚園に通うなんて恥ずかしくないかな?」
「今でも年下のお姉ちゃんにオムツ替えられてるんだもん、恥ずかしいって言っても言うこときかせるわよ」
「そうだね、こうたの幼稚園の制服姿楽しみだなぁ。きっと可愛いだろうな」
「あらあら、すっかりお姉ちゃん気分ね」
「うん、だって私いいお姉ちゃんだもん!」