0010 ぼくのあたらしいせんせい

 
あら、君かしら?大学からの転入生って。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいわよ、女子の制服とっても似合ってるわよ。丸襟のブラウスも吊りスカートも体にぴったりよ。お母さんに買ってもらったの?・・・あー妹さんのお古なんだ。それはちょっと恥ずかしいかもね。
えっ?どうして自分がこんな格好をって?そりゃあ仕方無いじゃない、国の方針なんだもん。あなたには小学四年生女子くらいの学力と体力しかないの。自分で認めなさい。
改めて自己紹介するわね、私の名前は今倉紗智子。去年大学を卒業したばかりの新米先生だけど実習の成績はトップだったから頼りにしていいわよ。
ん?どうしたのそんなに青い顔して・・・ほら、名札が曲がってる・・・・あら・・・・名前は優里君って言うんだね。女の子みたいな名前で違和感無くって良かったじゃない。そっかー、優里君、じゃなくって立花優里ちゃんね。ゆりちゃんって呼んでいい?・・・・ん?・・・その名前どこかで聞いた気が・・・・・あっ!・・・ひょっ!ひょっとしてあなた、付属高校の立花先輩!?

へー・・・そーなんだー。二浪して留年してまだ三回生だったのね。学部が違うから知らなかったけど先輩ったらいつの間にか私の下級生になっちゃってたんだあ。それで今度は私の生徒になっちゃうの?ぷぷぷ、笑っちゃうわよねぇ。高校の時は偉そうにしてたのにねぇ。どう、説教垂れてた後輩の目で付属小学校の制服、それも女子児童用の制服で立たされてる気分は?・・・黙ってちゃわかんないでしょ?何?恥ずかしい?さっきからそればかりじゃない。そんな幼児並の表現力しか持ってないから小学生に落とされるのよ。私の受け持ちの生徒の方がよっぽどちゃんとした作文書くわよ。
あら?どうしたのその顔は?一丁前に怒ってるのかしら・・・・まだ自分の立場分かってないの。先生の言う事聞けない子はオシオキでちゅよー・・・・
なによ大げさね、涙なんて流しちゃって。ちょっとお尻叩いただけでしょ?
うん?・・・ははー・・・・いい歳した男の癖して女の子のぱんちゅ見られたのが恥ずかしかったの?それとも年下の先生にお尻叩かれたのが屈辱だった?
ふーん。どっちもなんだぁ。そりゃあそうよねぇ、年下の子にお尻ぺんぺんされるだなんて私だったら死んじゃうわよ。しかもゆりちゃんは男の子なんだもんねぇ。お尻にクマさんのイラスト書かれたぱんちゅを沢山の先生に見られながら年下の女の子にお尻叩かれるなんて屈辱よねぇ。耐えられないよねぇ・・・・でもそれが現実よ。今日からあなたは私の生徒の一人に過ぎないの。付属小学校四年二組の女子児童の一人なのよあなたは。
もう一度パンツ見せてくれるかな?あら、恥ずかしがらなくてもいいのよ、手どけなさい。これは先生のお仕事ですからね。そうそう、そうやって素直にスカート自分の手で持ってなさい。あら、名前書いてないじゃない。高学年の子以外はパンツに名前書かないといけないって聞かなかった?プールの時とか他の子とか間違っちゃったら困るでしょ。
じゃあ先生が今から書いてあげるな。ええっと・・・たちばな・・・・ゆり・・・っと・・・。うん、これで安心ね。他にも持ち物には全部名前を書いておくのよ。

じゃあ教室に行きましょうか、新しいお友達が待っているわよ。そんなに怖がらなくてもいいわよ、みんないい子だから・・・・でもあなたって背低いわね。高校の時からチビだって思ってたけど、あれからちっとも伸びてないんじゃない?身長いくつ・・・・155?嘘おっしゃい。どうみても150ちょっとしかないじゃない。どうせすぐに身体測定でばれるんだから下手な嘘つかない。ふーん、でも150しかないんだぁ。今の子って大きいからクラスにはゆりちゃんより大きな女の子が一杯いるわよ。身長聞かれたら正直に答えるのよ。そうしないとうそつきって虐められちゃうかもよ。自分より背の高い小学生達に囲まれて叩かれたりしたくないでしょ?
はい、ここが四年二組の教室ね。今日から一年近く通うんだから場所はもう覚えた?ひょっとしたら来年も再来年もずっとここでお勉強するかもしれないんだから・・・・え?頑張って勉強するからそんな事ないって?どうかしら、あなたが進学出来るかは私の裁量によるんだからね。良い子にしてないとずっと四年生かもよ。そう、今の同級生達が五年生になっても、中学生になっても、社会人になってもずっとゆりちゃんは小学四年生のまま。ひょっとしたら、今四年生の子達が先生になっちゃうかもね。あははは、冗談よ冗談。じゃあみんなに紹介してあげるからね。

はーい、みんな今日は新しいお友達を紹介するわね。ちょっと大きいお友達だけどビックリしないようにね。
みんなもこの間、学校でお勉強する仕組みが変わったたのは知ってるでしょ?そう、今までみたいに年齢に合わせて四年生とか、五年生とか決まるんじゃなくって、お勉強が出来るかどうかで決まる様になったのね。そう、それで山下君は六年生に進級したよね。それからそこの川島さんはみんなより一つ年下の三年生だったけど、先月から一緒にお勉強してるのよね。
はい、静かに。だけど今日からみんなのお友達になる子は、ちょっとだけ変わってるの。みんな驚かないで迎えてあげてね。ほら、ゆりちゃん、入りなさい。
あれ?意外にみんな驚かないのね。よかったわね、ゆりちゃん。これならすぐにみんなと打ち解けられるかもよ。
はいじゃあ紹介するわね。今日から一緒にお勉強する立花優里ちゃんよ。ゆりちゃんはね、本当は・・・・いいじゃない、どうせばれるんだし・・・・ゆりちゃんはね、本当は大学生のお兄さんなんだけど、今日からはこのクラスの小学四年生の女の子としてここで一緒にお勉強しまーす。
はーい、驚かないでって言ったでしょ。えっ?冗談じゃないわよ。本当に大学生の男の子なんだもんね、ほら自分でも自己紹介できるでしょ。えっ?恥ずかしい?もうっ、どこまで小学生並なのよ。じゃあ私が説明するからね。
はいみんな聞いてね。この立花ゆりちゃんは、大学でお勉強が全然出来なくて、この間のテストでみんなと同じ四年生くらいからやり直した方がいいって判断されたの。女子の制服を着ているのは、お勉強だけじゃなくって、体育とかの運動も女の子並にしか出来ないって判断されたからよ。これは本当に珍しい事なんだけど、みんなもゆりちゃんの事を虐めないようにしてお友達になってあげてね。

はい、じゃあ一時間目は算数の授業を始めます。ゆりちゃん、早速あなたの実力を見たいから前に出て問題を解いてくれる?大丈夫よ、簡単なのから始めるから。
って、こんな問題も分からないの?簡単な小数のかけ算なのよ?ほら、みんな笑ってるわよ。この問題分かる人!・・・ほら、全員が手をあげてるのに、ゆりちゃんは分からないの?本当は大学生のあなたが、小学四年生が簡単に解ける問題が分かんないの?
ほら、これとこれ掛けたらいくつになるの?いくらなんでも九九くらい出来るでしょ?それとも今度は二年生くらいからやり直したいの?冗談じゃないわよ。あなたの担任は私なんだからね。そうそう、はっぱ64よね。じゃあ、答えは?0.64?あんた本当に頭悪いわよねぇ。小学四年生の問題も解けない大学生なんて初めてみたわ。
あっ、だから小学生に落とされたんだもんね。ごめんごめん、まだあたしあなたをどこかで先輩だって買いかぶっていたみたいね。でも大丈夫、これからはもう完全にあなたを小学四年生の女の子として扱ってあげるから安心してね。何泣いてるのよ?私はあなたの事を思って厳しく言ってあげてるんでしょ!

じゃあ次は体育の時間だから、みんな着替えて運動場に出てね。ほら、女子は更衣室に行って着替えるのよ。四年生になったらもうそんなけじめも大切だからね、
えっ?自分はどうしたらいいかって?あーそうか、女子と一緒にって言いたいけど、さすがにそんな訳にはいかないわね。だからって男子と一緒っていうのも方針に逆らう気もするし・・・・分かった。じゃあ、ゆりちゃんは廊下で着替えなさい。四年生って言っても、ゆりちゃんは女の子としてはまだ幼児と同じだから、女の子の恥ずかしいって気持も身を持って知っておいた方がいいからね。ほら、早く着替え持って廊下に出る!
ほらさっさと着替えないと男子が出てきてもっと恥ずかしい目に合うわよ。あら、その体操服古いタイプね。それも妹さんのお古なの?そっかー、残念だけど今は下はハーフパンツになっているのね、でも特別にあなたはそのブルマーで許してあげる。だって妹さんの折角のお古なんだもん、きちんと使ってあげないと失礼だもんね。
うふふ、きちんと下着まで女の子なんだね。胸は無いけどまだ四年生だから全然大丈夫よ。そのスリーマもお古なの?あっ、それは新しく買ってもらったんだね、そのアニメのキャラクター、今放送してる奴だもんね。ゆりちゃんはそのアニメ好き?そんな筈ないよね、本当は男の子なんだもんね。
こら男子達、やらしい目で見てないでさっさと校庭に行きなさい!ゆりちゃんが恥ずかしがってるでしょ。ほら、ゆりちゃんもさっさと着替える。パンツ見られても恥ずかしくなんてないでしょ、ホントは男の子の癖に情けない事言ってるんじゃないわよ。
はい、上着着てブルマーを足に通してと。あらあら可愛くなったじゃない。今時ブルマーだなんて恥ずかしいかもしれないけど、足綺麗だから大丈夫よ。でもみんなと違って一人だけブルマーだから凄く目立っちゃうかもしれないけどね。

はーい、男子達、イヤらしい目でゆりちゃんの足ばかり見ないの。女の子達もあんまりイジメない様にね。ゆりちゃんだって好きでそんな恥ずかしい格好してるんじゃないのよ。
じゃあ今日は跳び箱をしまーす。先週で全員が五段を跳べる様になったから、今日は六段をみんなで挑戦しまーす。
じゃあ早速ゆりちゃんから跳んでもらおうかな。まさか跳べないなんて言わないよね、ほらみんなに見本見せてあげなさい。
ちゃー・・・・マジで?マジで六段も跳べないの?情けなく上にぺたんて座ってるんじゃないわよ。来月の運動会ではクラスのみんなで跳び箱を使った演技を披露しないといけないのよ。あなたが跳べないとクラスのみんなに迷惑がかかるの。分かる?分かったら、跳べるまで一人で何度でも挑戦してなさい!
あーあ、やっと三段が跳べただけ?あんたってホントに運動も出来ないのね。いくらなんでも小学四年生の女子並には出来るかと思ったけど、これじゃあ運動会の練習についていくのも大変ね・・・そうだ、いい考えがあるわ。ゆりちゃん、今日からチアガール部に入りなさい。あそこに入れば運動会はクラスのものにも参加しなくても問題ないからね。可愛らしいミニスカートのユニフォーム着て、ポンポン持ってクラスのみんなを応援してる方があなたにはお似合いだわ。


更に続きます