0004 罰ゲーム

「とほほ・・・なんで俺がこんな目に・・・。」
萩原真也はがくりとして両手を床についた。
「おいおい真也、そんな格好するとパンツ見えちゃうぞ!」
悪友である耕太に言われ、真也は慌ててスカートを押さえる。
「へっへ、お前仕草までもう女じゃん!」
「て、てめーっ!!」
揶揄された真也は耕太に詰め寄った。
「なんだ?『女』の癖に手ぇ出すのか?えっ?女子高生の真子ちゃん?こんなに短いスカートで暴れたらオパンツ見えちゃうかもよー、あはははは!」
「ち、ちくしょーっ!」
思わず拳を振り上げた真也の腕を級長である陽子がつかんだ。
「女の子が乱暴しちゃダメでしょ。」
「でっ・・・でもっ・・・」
「でもじゃyないの。体育祭の100m走で優勝できなかったらなんでもいう事を聞くって豪語したのは真也君じゃない。男子に二言は無いわよね?」
「うっ・・・うぅっ・・・」
「それから耕太君も女の子に酷い事言わないの。分かった?」
「あぁ。でもお前ホントにスカート短かすぎ。誘ってるの?」
「じょ、女子が用意したのがこれだったから仕方ないだろ!」
真也はスカートの裾をさりげなく押さえたまま抗議するように叫んだ。
「へぇっ、やっぱ恥ずかしいんだ、男の癖にっ!」
耕太はそう言って真也のスカートを捲り上げる。
「きゃああああああああぁぁぁぁっ!」
「うわっ!すげっ!パンツまで女物穿かせてるのかよ!女子達こええぇぇっ!」
真也の悲鳴と耕太の驚きを聞き、陽子が自慢げに言う。
「当たり前じゃない。真也のせいでクラス全体が二位に終わっちゃったんだから、これぐらいはしてもらって楽しませてもらわないとね。」
「あははは、こりゃ当分『女子高生』にままだな、真也。」
もはや耕太に抗議することも出来ず、真っ赤に頬を染め、その場にしゃがみこんで震えたままの真也を女子達が取り囲んだ。
「でもなかなか可愛く仕上がったわよね。もう私達あなたには男子としては期待していないから、来月の球技大会にはチアガールでもやってもらおうかしら。」
陽子の声にチアガール部の女子生徒が賛同する。
「あっ!それ最高!チアの可愛い衣装着てボンボン持って私達の応援してよ。こんなに可愛いチアが応援してくれたら今度は優勝できるかもね。」
「うん。それいいわ。けってーい!!」
あながち冗談では無い様子で盛り上がる女子に囲まれ、真也は制服のリボンをぎゅっとつかんだ。