お泊まり会

「こんにちわ〜」
「あっ、あの……おじゃまします」
「あっ、創くんも来てくれたんだ。相変わらずかーいーねぇ」
「お、お世話になります」
僕は早羅ちゃんにぺこりと頭を下げた。
「よしよし、ちゃんと挨拶できたね」
里那ちゃんが頭を撫でてくれた。
いつものことだけど凄く気恥ずかしい。
「さっ、上がって上がって。今日はパパもママもいないから好きなだけ遊べるよぉ」
早羅ちゃんが手招きしてくれた。
「創くん、先に行っていいよ」
里那ちゃんに背中を押され、僕は靴を脱いで早羅ちゃんの家に上がった。
僕の家とは比べものにならない長くて広い廊下。
僕と里那ちゃんは早羅ちゃんに案内されて二階に上がる。
「もう優衣ちゃんも来てるよぉ。さっ、入って入って」
早羅ちゃんの部屋には既に優衣ちゃんがあぐらをかいてテレビゲームをしていた。
「おっ!里那来たか〜。ちょっと待ってな、今忙しいから」
唯衣ちゃんはコントローラーを握りしめていつもの男っぽい口調で言う。
「もうっ、優衣ちゃんったらパンツ見えるわよ」
早羅ちゃんの言うとおり、水色のミニスカートで足を組んでいる優衣ちゃんの足は、後ろから見ても太ももまではっきりと露出いていた。
「女だけだから構わねぇじゃん」
優衣ちゃんが皮肉るように言う。
「それがね、今日は創くんも来てくれたのよ」
「なんてっ!?」
驚いたように優衣ちゃんが振り返った。
「ど、どうも」
僕は馬鹿みたいに頭を下げる。優衣ちゃんはゲームオーバーになった画面に舌打ちしながらも、コントローラーを投げ捨てて僕の方に歩み寄った。
「ようっ、お前が噂の創ちゃんか。里那の親友の優衣でーす」
「ど、ども、創です」
僕はまた阿呆みたいにおじぎで返した。
「早羅に聞いてた通り可愛いなぁ」
優衣ちゃんは僕の顔をジロジロ見ていった。
「まるっきり年下の女の子だもんなぁ。とても里那の兄貴とは思えないぜ」
僕は自分の頬が熱くなっていくのを感じた。

そう。みんな僕より背が高くて大人っぽいけど、実際は四つも下の女の子達だ。
今日は妹の里那のお泊まり会ということで、僕は無理矢理連れて来られてしまったのだ。

「じゃあ早速、着せ替えごっこしようか」
早羅ちゃんがウキウキした様子でクローゼットをまさぐり始めた。
「じゃーん。今日はこのお洋服でーす」
「わー可愛いっ!」
早羅ちゃんがカーペットに広げた洋服を見て里那が歓声を上げた。
「小学校の時に着てたお洋服なんだぁ」
大きなセーラー襟のついた薄いピンク色のシャツ。小さな子でも留めやすそうな大きなボタンに、胸元には共布のリボンがついている。
白色のふわりとしたスカートは裾周りに上着と同色のラインが入っており、大きなポケットがとても子供っぽさを感じさせる。
「さっ、着て着て」
促されたのは他でも無い、この僕自身だ。もちろん僕は女の子ではなくれっきとした男なのだが、三人の中でこのサイズの洋服を着ることができそうなのは僕くらしか考えられなかった。
「や、やだよ……」
僕は一応抵抗して見せた。こうなる事は薄々予感してたけど、唯々諾々と従ってしまうなんて男の沽券に関わっちゃう。でも
「無理矢理着せられるのと、自分で着るのどっちがいい?」
優衣ちゃんの低い声に僕は震え上がってしまった。
「う、うん……自分で着るよ……」
流されるままに僕はその女児服を着る。スカートを穿くのはこれで三度目だけど、ちっとも慣れない。
「わー!やっぱかーいい!」
早羅ちゃんが抱きついてきて、膨らみかけの胸の感触に僕はドキドキしてしまった。
「創、チンコ勃たせてねぇ?」
優衣ちゃんに言われて僕は思わず手でスカートを押さえた。だけど早羅ちゃんがまるで乱暴な男の子みたいに僕のスカートを捲りあげた。
「あーあ、やっぱ勃起してるじゃん」
ブリーフの上からおちんちんを見られて僕は返す言葉も無かった。
「おい創、見苦しいからパンツもこれ穿いとけ」
優衣ちゃんが放り投げたのは、幼い女の子が身につけるような真っ白いパンツだった。

「これで目立たないな」
そのパンツのサイズは僕には大きすぎて、まるでブルマでも穿いたようにぶかぶかだった。おかげで小さなぼくのおちんちんは、すっかりパンツの中に埋もれてしまって、まるで本当の女の子みたいな股間になってしまった。
「これで完璧ね。さっ、ご挨拶してみなさい。いつも教えてるでしょ」
「う、うん……」
僕は僕を見つめる三人の年下の女の子達の前に緊張しながら立った。

僕が初めて女装させられたのは一ヶ月ほど前。里那ちゃんが冗談半分に学芸会のシンデレラの衣裳を僕に着せたのが始まりだった。
鏡で見た自分の姿は、思ってもいなかったほどお姫様をしていた。凄く恥ずかしくて嫌だったけど、どうしてだかおちんちんが大きくなってしまったんだ。
それを里那に見つかって足で蹴られ……衣裳を汚してしまってからは僕は妹の奴隷にされちゃった……

「早羅おねぇちゃん、優衣おねぇちゃん。あたしは里那おねぇちゃんの妹の創って言います。御蔵第三小学校の四年二組です。今日はあたしと遊んでください」
里那に教えられた通りそう言った僕だけど、足は恥ずかしさでぴくぴくと震えていた。
「おねぇさんに任せないさぁい!」
見ると早羅ちゃんは涎の出そうな目で僕を見ている。
「じゃあ、さっそくこれを背負ってね」
「えっ!?えぇっ!?」
早羅ちゃんはピンク色のランドセルを僕に背負わせる。ランドセルなんて背負うのは何年ぶりだろう。もちろんピンク色なんて初めてだ。
「じゃあ帰ってくるところからしようか。これを背負ったまま小学校前の文房具屋さんで名札買ってきてね」
早羅ちゃんはそう言って僕に財布を渡した。女児向けのキャラクターの描かれた小さな財布だ。
「買ってこれるまでおうちには入れないからね」
「ちょ、ちょっと待って!」
そう言って僕は早羅ちゃんの家を追い出された。
夕方の風がスカートを少し捲りあげる。あまりの不安さと恥ずかしさに僕は心臓が飛び出そうになった。
玄関を叩いても何も返事は無い。僕は諦めて小学校に向かって歩き出した。
まだ人通りは少ないけど、同じ方向にある中学生や遅く帰ってくる小学生がぼくをジロジロと見る。こんな時間にランドセルを背負って学校に向かっているのだから当たり前かもしれない。僕は地面とお見合いしながら文房具屋さんにたどり着いた。
「あっ、あの……名札を……」
「第三小学校のでいいかしら?」
何年も前に見たおばさんが優しい声を掛けてくれる。あの頃より少し老けてるけど、僕のことを覚えている筈も無いし、男の子だってばれてる様子も無い。
「は、はい」
「何年生?」
「よ、四年ですっ!」
そう自分で言って僕は真っ赤になってしまった。変な子だと思われたかもしれないけど、自分から「小学四年生です」なんて言わされたら仕方ないよね。
代金の110円を払って店を出ようとしたとき、おばさんから声を掛けられた。
「お嬢ちゃん、帽子も被らないとだめよ。もう遅いから知らない人に気をつけてね」
完全に小さな女の子扱いされている。僕はぺこりと会釈して店を出た。

「えらいえらい。ちゃんとお使いできたねぇ」
早羅ちゃんの家に戻ると、里那ちゃんがまた頭をなでてくれた。
「じゃあ、名前書いてあげるからつけてみて」
里那が買ってきたばかりの名札に「4−2瀬野 創」とマジックで描いてくれた。
胸に付けると僕は益々小学生に戻されたみたいに思えてしまう。
「では宿題しよっか」
「えっ?」
言われるままランドセルを開けると、中には本当に小学校四年生の教科書とノートやドリルが入っていた。早羅ちゃんはそこから一枚のプリントを取り出す。
「はい、これが今日の宿題よ。帰ってすぐにしなさって先生に言われたでしょ?」
「う、うん……」
三人に逆らう事もできず、ぼくはランドセルからふでばこを取り出して問題に取りかかった。だけど
「あ、あれ……」
自分でも驚いたことに、すぐに手が止まってしまった。
(二ケタの割り算ってどうするんだっけ……)
もう何年も筆算なんてしてない。ましてや二ケタの割り算なんて、やり方がわかる訳もなかった。
「あれぇ?創くん、四年生の算数も出来ないんだぁ」
嬉しそうに早羅ちゃんが笑った。
「ほら、貸してみな」
優衣ちゃんが僕から鉛筆を奪い取る。
「割る数が31だったら、どの位から商が立つか分かる?」
「え、えっと……」
まるで専門用語みたいだ。僕はプリントの数字を指さす。
「そうかなぁ?11じゃ31より少ないでしょ。この場合は十の位から商を立てるの」
里那が優しく説明してくれる。これじゃあ本当に三人のお姉さんに勉強を教わる四年生の女の子だ。本当は僕の方がずっと年上なのに……
「じゃあ、このあと月はどっちの方角に動くでしょう?」
こんなの全然わかんない。でも私立中学校に通うお姉ちゃん達には僕が分からない事の方が不思議みたいだった。
「おいおい、冗談でごっこあそびしてんのに、マジでわかんねぇの?」
優衣ちゃんが本気で驚いたように言った。
「お前、本当に小学校からやり直した方がいいんじゃねぇの?」
その言葉は本気で四年生の問題が出来なかった僕の心に突き刺さった。

お勉強のあとはゲームなんかで遊んでもらったけど、どれも里那ちゃん達の方が上手で僕は相手にもならなかった。やっとの事でハンディをつけてもらって手加減して勝たせてもらったりして、段々と僕は本当にこの中で一番年下なんじゃないかと思えてきたんだ。

「カレー温まったよ〜」
夕食の時間、早羅ちゃん案内されてリビングに向かう。大きなテーブルには普通の椅子が三脚と、見慣れない形の椅子が一個置いてあった。
「創くんはこっちね」
「わっ!」
早羅ちゃんは突然僕の体を持ち上げて、その変わった感じの椅子に座らせる。
長い足に、三方を木枠で囲まれた座枠。その前には小さなトレイが載せてあった。
「こ、これって……」
「そっ。幼児用の椅子よ。5歳の妹が去年まで使ってたんだけど、今日小さい子が来るからって言ったら、ママが用意していってくれたの」
早羅ちゃんはそう言いながら僕のお腹にベルトを巻く。僕にはそれがまるで拘束具のように感じられた。
「サイズも大丈夫みたいね。じゃあ食べようか」
三人が美味しそうなカレーライスに口をつける。だけど僕の目の前には薄い色のカレーシチューとほ乳瓶に入れられたミルクだけが用意されていた。
「ぼ、僕にカレーは?」
おそるおそる聞いてみると、早羅ちゃんが今気付いたように僕の傍に寄ってきた。
「そっか、一人じゃ食べられないのね。はい、あーんして」
早羅ちゃんは僕の口に薄いカレーをスプーンで近づけた。これじゃあ本当の幼児だ。
「やだっ!」
僕は思わず口でスプーンを拒否した。零れたカレーが僕の服にかかる。
「ご、ごめんなさい……」
お古とはいえ早羅ちゃんの洋服を汚した罪悪感で僕は謝った。だけど
「いいのよ。小さい子が服を汚すのは当たり前だもん」
早羅ちゃんはそう笑ってくれた。
「だけど、これが必要みたいね」
そう言って早羅ちゃんは僕の首に手を回し、ひよこのイラストの描かれた涎掛けを僕につけてしまった。
「や、やだよこんなの!ぼく赤ちゃんじゃ……」
「一人で食べれない子は赤ちゃんだよ。それとも本当に両手を使えないようにしてあげようか?」
優衣ちゃんの言葉に僕は押し黙ってしまった。
「じゃ、今度は食べれるよね」
再び出されたスプーンに僕はもう逆らえなかった。カレーはまったく香辛料の味がしなくて、ちっともおいしく無かった。

「上手上手!」
ご飯の後、僕がほ乳瓶でミルクを飲む様子を三人は拍手で褒めてくれた。ちっとも嬉しくないけど怒られるよりはずっとマシだ。
一杯のミルクでお腹が一杯の僕を、早羅ちゃんはげっぷが出るまで優しく叩いてくれた。
「じゃあ寝る前にみんなでお風呂入ろっか」
まさかこの時は、僕も「みんな」の中に含まれているとは思わなかった。だけどぼうっとテレビを見ている僕の手を優衣ちゃんは強引に引っ張った。
「何してんだよ、早く風呂いくぞ」
「えっ!?えぇっ!?」
早羅ちゃんちのお風呂はとっても大きかった。銭湯ほどは無いけど、四人ならなんとか一緒に入れそうだ。
「あれ、里那また大きくなった?」
「あたしまだAカップだよぉ」
僕の心配をよそに三人は洋服を脱ぎ捨てる。普通なら喜ぶべきところかもしれないけど、ちっとも嬉しくない。まるで僕なんかいない、いや僕も女の子みたいに扱われてるんだ。
「ほら、一人で脱げないのか?」
スポーツブラとパンツ姿の優衣ちゃんに手伝われて上着を脱ぐ。
「さすがにまだ胸は出てないな」
乳首をつつかれてまた僕は赤くなる。おちんちんが大きくならないように僕は必死で祈った。
「湯船のまえにシャワー浴びようね」
とうとう素っ裸になって四人でお風呂に入る。里那ちゃんはまるでママのように僕の世話をしてくれる。
湯気ではっきりとは見えないけど、スレンダーな優衣ちゃん、大人みたいな胸をしている早羅ちゃん、そして小さい頃はこんな風に一緒にお風呂に入っていた里那ちゃんの裸に僕は見とれてしまった。たしかあの頃は僕が里那の世話をしてたっけ……
「はい、これかぶって」
早羅ちゃんが僕の頭にシャンプーハットを被せてくれた。
「女の子は髪を綺麗にしてないとダメよ。あれ、創くんったら女の子みたいに綺麗な髪質だね。うらやましぃ」
僕は男の子扱いなのか女の子扱いなのかはっきりとしない。だけどこんな風にされていると、恥ずかしいのに、とっても逃げ出したいのに……すごく気持ちがやすらぐ。

「それじゃ、お姉さん達はまだ起きて、大人の話をするから創くんは先におねんねしててね」
お風呂から上がって髪を乾かしてもらった後、僕はこれも早羅ちゃんのお下がりのパジャマに着替えさせてもらった。
お腹が冷えないように膝までの長さがある、エプロンドレスみたいなパジャマだ。
「うん、おやすみ……」
まだ九時だから、眠りたくなんかなかったけどみんなの邪魔をするのも悪いし、女の子のピロートークになんかついていける筈も無い。僕は早羅ちゃんの部屋の隅にあるベッドに横になった。
「あっ、お兄ちゃん忘れてるよ!」
その時、里那が大声を出した。お兄ちゃんなんて言われるのは久しぶりだ。
「どうしたんだよ?歯は磨いただろ」
「違うの違うの。これこれ」
里那はそう言って、自分の鞄から僕の『夜の下着』を取り出した。
「なにそれぇ!」
早羅ちゃんと優衣ちゃんはそれを見てクスクスと笑った。
「『ムーニーおねしょパンツぅ』!?ひょとして創くんまだオムツなのぉ?」
「そ、そんなことないもん!」
僕は慌てて否定した。これ以上赤ん坊扱いされるのはさすがにごめんだ、
「里那!嘘いうなよ!」
「あれぇ、創くんそんな口効くんだぁ」
急に里那が怖い口調になる。
「おねしょ治ったのって、ほんの三ヶ月前だよねぇ。あたし知ってるんだよ、ママが私にしれたら可哀想だからって、こっそりお兄ちゃんにオムツを用意してたこと」
「そ、それは……」
人生最大の秘密を、とんでもない状況でばらされて僕はもうパニクった。
「ち、ちが……一度はパンツになってて、三年前の受験で失敗して……たまにしかしてないもん……」
だけど里那はまるで母親のごとく諭すように言った。
「そのたまにが、早羅ちゃんのおうちでしちゃったら大変でしょ。我が儘言わずにだまってオムツあてておきなさい」
そう言われると返す言葉も無かった。万が一早羅ちゃんのベッドを汚したりしたら、僕はもう里那に顔を合わせることも出来ない。
「う、うん……」
再び僕は従順な幼女にもどってベッドに横たわった。
「やっぱ、あてて欲しいんだぁ」
僕は後悔した。オムツなんて今は一人でつけられるのに、ついつい知らぬ間に幼児の感覚になっていたのだ。
「じゃあ、みんなであててあげるね」
有無を言わさず僕はベッドで下半身を丸裸にされた。
「改めて見ると小さいおちんちんねぇ」
「オムツするような赤ちゃんだから仕方ないわよ」
「しっかし、この歳でこれじゃあ一生彼女とHなんかできねぇよな」
「優衣ちゃん!今の創くんは私の妹より小さな女の子なのよ!」
わざわざ僕を辱めるような会話を交わしながら、三人は僕にオムツをあててくれる。
「なになに、お尻を持ち上げてオムツを敷き込みます……か。優衣ちゃん、創くんの両足持ち上げて」
「よしきた」
優衣ちゃんが天井に向かって僕の足を凄い力で持ち上げる。
「じゃあ、オムツするわよぉ」
「足、下ろすぞ」
「もっと股広げさせないとギャザーが」
「これで横羽を留めればいいのね」
里那ちゃんが丁寧に僕のお腹の上でテープを留めてくれた。
「大丈夫?苦しくない?」
「う、うん……大丈夫……」
「うさぎさんの絵が可愛いね」
早羅ちゃんが僕のオムツをなでなでしながら笑う。
「創くんも、このうさぎさんみたいにパンツのおねぇちゃんになれるように頑張ろうね」
年下の男の子にとっても失礼な言い方だと思ったけど、僕は黙った頷くしかなかった。
「じゃあ、おやすみね」
「うん、おやすみ」
掛け布団を掛けられ、僕は今日一日の緊張からすぐに眠ってしまった。


「なっ、濡れてるだろ。お漏らしサインが黄色になってるもんな」
「あらあら、もうおねしょしちゃったのね」
「起こすの可哀想だから、眠っている間に替えちゃおうか」
「そうだな。しっかし恥ずかしい奴だなぁ」
どうやら知らない間に本当におねしょをしちゃったみたいだ。股間がべちゃべちゃして気持ち悪い。起きてるよとみんなに声を掛けようかとおもったけど、恥ずかしすぎてタイミングを逃してしまった。
「わーぐちょぐちょだぁ」
「くっさぁい。やっぱり赤ちゃんとは違うわね」
僕は益々眠ったふりをしているしかなくなった。
「そう?パパの朝のトイレの臭いより全然マシだよ。だって創くんはまだ赤ちゃんなんだもん」
「はいはい、これ換えのオムツね。今度は早羅があててみる?」
「うん、させてさせてっ!」
新しいオムツが敷き込まれるのが分かる。濡れた感覚からさらりとした感覚になってとっても気持ちいい。
「前当てをまたからくぐらせてっと……あれ?」
急に早羅ちゃんの手が止まったのを感じた。
「創くんのおちんちんおっきくなっちゃってるよぉ。これじゃあオムツあてられないよぉ」
泣きそうな早羅ちゃんの声が聞こえる。中途半端に眠ったせいで朝立ちに似た現象が起きてしまったみたいだ。
「いやらしい夢でも見てんじゃない?」
優衣ちゃんの小馬鹿にしたような声が聞こえる。
「しっかたねぇな。早羅、出させてやれよ」
「えっ!?えっ!?どうやって!?」
「どうやってもねぇよ。若いんだから擦るだけで大丈夫だよ」
「そ、そうなの……」
「あぁ、やってみろよ」
「じゃ、じゃあ恥ずかしいからオムツの上からするね」
おちんちんの上に柔らかい感触を感じる。勃起しているせいで収まりは悪いけど、早羅ちゃんはテープまで留めてくれたみたいだ。
「す、するわよ……」
三人の視線を感じるけど目を開けるわけにはいかなかった。次第に股間に緩い圧力を感じる。
「ゆーりかごーのうーたを、かーなりあーがうーたうよぉ♪」
不意に早羅ちゃんは歌い出した。
「なに歌ってんだよ」
「だって、こうしてると妹が赤ちゃんの時を思い出したから」
「ねーんねこ、ねーんねーこ、ねーんねこよー♪」
早羅ちゃんの唄を効きながら、僕は次第にまた眠くなっていった。


「おはよ」
「よく眠ったか?」
目が覚めると、三人はもう朝食を食べていた。
「創くん、おねしょしなかった?」
オムツには濡れている感触は無い。二度目はしなかったのかもしれないけど……
「じゃあおねしょチェックしてやろう!」
優衣ちゃんが乱暴に僕をソファに寝かしつけると、オムツの前当てを開いた。
「うん、合格だ。創ももうすぐパンツのおねぇちゃんになれるかな?」
恥ずかしさをこらえながら、おそるおそる見たオムツの中には何の汚れも無かった。


「じゃあお邪魔したね。明日また学校で!」
「うん、楽しかったよ。創くんもありがとね」
「お礼を言うのは創じゃないのか。早羅ったらまるでママみたいだったもんな」
僕たち二人は顔を真っ赤に赤らめた。
そして早羅ちゃんは意を決したように僕に耳打ちしたんだ。
「また遊びに来てね。今度は創くん一人で」
僕は思わず立場も忘れてときめいてしまった。
だけど早羅ちゃんはこう続けたんだ。
「あたし、妹が大きくなってちょっと寂しかったんだって昨日分かったの。創くんなら可愛いし、これからもずっと私の小さな妹にしてあげるね」
「そ、それは……」
少したじろんだ僕に向かって、早羅ちゃんはスマホの写真を見せた。
「これ、昨日創くんが汚したオムツだよ。白いおしっこたっぷりだね。この写真、創くんのお友だちとかに送ってもいいのかな?」
「や、やめっ!」
「私知ってたんだよ。創くんあのとき起きてたでしょ」
僕は顔面蒼白になった。訳の分からない二人はきょとんとして僕らを見ている。
「じゃあこれ、おみやげ」
早羅ちゃんは僕に紙袋を渡す。
「中に幼稚園の女児制服が入ってるから、明日これを着て小学校裏の公園に来ること」
「む、むり!そんなのむり!」
抗う僕を突き飛ばして、早羅ちゃんは手を振った。
「じゃあね、またみんな会おうね!」