天使達の悪巧み 第七章 お漏らしっ子の下着

「あらあら大変!」
エプロンを揺らしながらやってきた遥香は大げさに口に手を当てながら言った。だがその表情には困ったというよりも驚きの方が見て取れる。
「ひ、ひっく・・・・・・」
自分とさして年齢の変わらぬ女性に醜態を晒しながら莉緒はぐちゅぐちゅに濡れた上履きをゆっくりと脱ぐ。
「大丈夫。こんなこともあるから園の床は交換できるようになってるのよ」
遥香はそういうと、莉緒のおしっこで濡れてしまった床タイルをビニール袋に押し込む。
「あらら、キリンさんが泣いちゃってるよ」
床タイルに描かれたキリンの絵を見ながら桃香がつぶやいた。
「ほら、莉緒ちゃんはこっちに来て。着替えないと風邪引いちゃうわ」
遥香に手を引かれ、莉緒は仕方なくついていく。自分の失敗を処理してもらっている以上彼には逆らえよう筈も無かった。
「お漏らしはよくしちゃうの?」
「い、いえ・・・・・・」
莉緒は力なく答える。
「そっか。じゃあ初めての幼稚園で緊張しちゃったんだね」
「そ・・・・・・そうだと・・・・・・思います・・・・・・」
おやつに与えられたジュースに特殊な利尿剤が入っていたことなど知らない莉緒は、遥香に話を合わせるしかない。
「でも困ったわね。うちの幼稚園では少しでもお漏らしする子はあらかじめ教えて下さいって保護者の方に言ってあるのにね」
「・・・・・・ごめんなさい」
「ううん。あなたに言っても仕方ないのよ。莉緒ちゃんの保護者、和葉さんにちゃんとしてもらわないとね」
「い、いや!」
莉緒は思わず叫んだ。
「い・・・いえ・・・・・・あの・・・・・・このことは・・・・・・いも・・・・・・和葉・・・・・・ちゃんには内緒に・・・・・・」
和葉の事をどう言おうと迷ったあげく莉緒は「ちゃん」付けで呼んだ。遥香は少し怪訝そうな表情で答える。
「そう、それはそうね。和葉お姉ちゃんに知られたら恥ずかしいわよね」
莉緒は黙ってコクリと頷いた。さすがに遥香にとって和葉は母親に見えなかったのだろう。妹を姉扱いされた事には不満だが、莉緒には訂正する余裕などあるはずも無かった。
「じゃあその代わり先生のいうこと聞いてくれる?」
遥香は人差し指を立てて「ひとつだけ」と付け加えた。
「は、はい。その代わり・・・・・・あの・・・・・・パンツを洗わせてもらえますか・・・・・・」
莉緒は顔を真っ赤にして言う。遥香はにこりと笑った。
「そうね。そのまま乾いたら黄色いお漏らしパンツになっちゃうもんね。和葉お姉ちゃんにもお漏らしがばれちゃうよね」
わざわざ口にするところに悪意を感じながら、莉緒は沈黙したまま首を縦に振った。
「でもその前に先生のお願いね」
遥香は口元だけでニヤリと笑う。
「いくらお漏らし対策をしているとはいえ、何度もお漏らしされちゃったら先生達も大変なの。分かるわね?」
「はい・・・・・・」
自分の汚した床を処理してもらった手前、莉緒には返す言葉もない。
「そこでね。うちの幼稚園では一度お漏らししちゃった子は、しばらくはこれをあててもらうことになってるの」
遥香はそういって、脇の棚からピンク色をした大きなパッケージを取り出した。
「ちょっと恥ずかしいかもしれないけど、これをしてたら安心だからね。さあ、あててあげるからそこに横になりなさい」
「・・・・・・そ・・・・・・そんな・・・・・・」
莉緒は絶句するしか無かった。彼の目の前につきつけられたのは、あろうことか乳幼児用の紙オムツだったからだ。
「じょ、冗談ですよね・・・・・・」
莉緒は震える声で遥香にそう言った。自分でも足が震えているのが分かる。
「冗談?面白いこと言うわね、莉緒ちゃんは」
遥香は口に手を当てて微笑む。
「そんな筈無いじゃない。だってここは幼稚園よ。わざわざ冗談の為にこんなものまで用意するわけないでしょ」
遥香は紙オムツのパッケージを莉緒に見せつける。そこに書かれた『乳幼児用ビッグサイズ』のロゴ。『大きなお子様でも安心』の文字が莉緒の胸を締め付ける。
「莉緒ちゃんは本当はみんなより大きいから、ちょっとだけ恥ずかしいかもしれないけど我慢してね。そうしないとみんな平等にならないからね」
「だ、だって・・・・・・」
莉緒は言い返そうとしたが頭はパニックになるばかりで、とても論理的な反論は思いつかない。大体、このようなおかしな状況におかれてどのように自分の主張をすればいいのか莉緒には皆目検討もつかなかった。
「あ、あたし・・・・・・やだぁ!」
やっとの事で莉緒の口から出たのはそんな風な幼児の様な言葉だけだった。遥香はクスリと笑って莉緒の頭を撫でる。
「莉緒ちゃん、我が儘言わないで。今日から莉緒ちゃんはみんなと同じ幼稚園の園児なのよ。あなただけ少し歳が上だからっていって特別扱い出来ないのは分かるでしょ?」
そんな風に淡々と言われては莉緒には返す言葉も無い。だが何がどうあろうと、18歳にもなる自分が紙オムツを穿くなんて耐えられない。
「も、もうしないから!絶対にお漏らしなんてしないから!」
仕方なく園児になりきって莉緒は叫んだ。だが遥香は慣れた口調で諭すように言った。
「お漏らしした子はみんなそう言うのよね。でも、さっきしちゃったものがすぐに治るわけ無いでしょ」
「・・・・・・で、でも・・・・・・あ、あたしは・・・・・・みんなと違って・・・・・・」
莉緒が尚も抵抗しようとしたとき、彼の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「こら!駄目じゃない、遥香さんを困らせちゃ」
「えっ!?」
振り向いた莉緒の目に飛び込んで来たのは、見覚えのある小学校の制服を着た優子の姿だった。
「んふふ、園児姿も似合ってるじゃない。しかも本当にお漏らしまでしちゃうなんて、ちょっとなりきり過ぎじゃないのぉ?」
いつかのようなねちっこい口調で莉緒を嘲笑しながら優子はゆっくりとこちらにやってくる。
「ど、どうして・・・・・・ゆ、優子ちゃんが・・・・・・」
「優子おねぇちゃん。でしょ?」
優子はげんこつをつくると軽く莉緒の頭を上から叩いた。
「あまり我が儘言って、保母さんを困らせちゃ駄目じゃない」
「だ、だって・・・・・・」
莉緒は本当の姉に叱られたかのように俯く。あの日淫靡な記憶が蘇り、莉緒は更に困惑した。
「今日はね、学校交流っていう授業の一環で来たのよ。私たち小学生が幼稚園を訪ねて、小さな子と触れ合うっていう課外授業ね。あっ、こんな説明幼稚園児の莉緒ちゃんにはちょっと難しかったかな」
そう笑われても、実際に園児服を着て、しかもお漏らしまでしてしまっている莉緒には何も言い返せなかった。
「でも莉緒ちゃんがこんなところにいるなんてびっくりしちゃった。どうしたの落第でもしちゃったの?それともお漏らしが治らないから幼稚園からやりなおしているのかしら?」
「ちょ、ちょっと!」
莉緒は慌てて優子の言葉を遮った。彼女がどこまで知っているのかは知らないが、病気の為に就学が遅れている女の子という自分の立場をこれ以上悪くする訳にはいかなかった。
「じゃあお姉ちゃんも来てくれたことだし、さっさとオムツあてちゃいましょうね。」
二人のやりとりを黙って聞いていた遥香が思い出したように手を叩いた。
「そうそう、お漏らしっ子の莉緒ちゃんにはオムツがお似合いよね」
「でも・・・・・・でも・・・・・・」
「まだ言うこと聞かないつもりなの?」
優子は身を乗り出して莉緒にささやく。
「早くしないと私のクラスメイトがたくさん来ちゃうんだけどなぁ。莉緒ちゃんは、もっとたくさんのお姉さんの前でオムツあてられたいの?」
その言葉に莉緒は青くなった。遥香と優子、そして園児達の前ならともかく、優子の同級生という好奇心たっぷりの世代の女の子達にそんな姿を見られるのは絶対に耐えられない。
「いいわね。じゃあ横になりなさい」
莉緒は仕方なく黙って頷いた。

「せ、せめて・・・・・・もっと端で・・・・・・」
教室の真ん中におむつ交換シーツを敷かれ、その上に仰向けに寝かされた莉緒は泣きつくように呟いた。
「はーい、赤ちゃんの莉緒ちゃん、オムツしまちょうねぇ」
だが優子はそんな言葉を聞きもせず莉緒のスカートを脱がしてしまう。
「まぁ、パンツびしょびしょじゃない。気持ち悪かったでしょう。すぐに新しいオムツにしてあげるからね」
優子は莉緒を辱めるようにいちいち声に出して言う。これからオムツをあてられるんだという恥辱が莉緒を更に絶望に追い込んでいく
「ほぉら、可愛いオムチュでちゅねぇ」
花柄プリントのピンク色の紙オムツを莉緒に見せつけて優子は楽しそうに言った。
「普通、莉緒ちゃんみたいの大きな子はパンツタイプなんだけど、莉緒ちゃんはオムツに慣れていないみたいだし、自分で交換も出来ないだろうからテープタイプにしましょうね」
オムツに知識の無い莉緒にはよく分からなかったが、パンツタイプと違いテープタイプの場合は、あてる時に仰臥して、更に屈辱の体勢を取らなければ交換を行いにくい。そしてその恥辱の瞬間はすぐにやってきた。
「はい、お漏らしぱんちゅ、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」
優子は手早く莉緒の穿いているアニメプリントのパンツを脱がすと、彼の両足首をつかんで高く持ち上げてしまった。
「や、やめ!」
お尻と性器を丸出しにされ莉緒が悲鳴を上げる。だが恥辱と恐怖で抵抗することも出来ない。大体そのような状態で逃げ出したとしても、下半身丸出しの姿を晒してしまうことになる。
「じゃあ新しいオムツをしましょうね」
莉緒の下半身をお尻ふき用シートで軽く拭くと、優子は先ほどの紙オムツを莉緒のお尻の下に敷いてしまう。
「んふふ、サイズも大丈夫みたいね。どう?幼稚園で小学生の女の子にオムツをあてられる気分は?」
「は、早く・・・・・・」
遥香のせめてもの気遣い?で他の園児達は遠くから莉緒達の様子を見ているだけだ。だがペニスを晒した状態ではいつ自分が男の子だと知られてしまうかもしれない。莉緒は懇願するように優子に言った。
「は、早くして・・・・・・おねぇちゃん・・・・・・」
「そう?そんなに莉緒ちゃんはオムツが好きなのね」
優子は満足そうにサディスティックな笑みを浮かべて言った。
「じゃあ、言えるかな。赤ちゃんの莉緒にオムツをあてて下さい、優子お姉ちゃん。って」
「そ、そんな・・・・・・」
いくらそれが現実だと言っても、自分より8つも下の小学生の女の子にそんな事が言える筈が無い。莉緒は口を噤んだ。
「そう、ならいいわ」
優子は急に冷たい目をして後ろを振り向いた。
「みんなぁ!もういいわよ!」
その声に園児達が待ちきれないように近づいてくる。
「ちょ、ちょ!」
このままでは恥ずかしい箇所を見られてしまう。莉緒は慌てた。
「い、言うから!」
少し微笑を浮かべた優子に向かって、莉緒はやけくそ気味に言った。
「ゆ、優子お姉ちゃん!あ・・・赤ちゃんの莉緒にオ・・・オムツをあててくださいぃ!」
「はい、よく言えました」
優子はそう言いながら紙オムツの前当てを手早く閉じた。次の瞬間。莉緒の目に咲季の顔が飛び込んで来た。
「へぇ、莉緒ちゃんって赤ちゃんなんだぁ。自分でよくわかってるじゃない」
すんでのところで男の子の部分は見られなかったようだが、恥ずかしいお願いを咲季に聞かれてしまった事に気づき、莉緒は顔を赤くした。
「かわいいオムツだね。りおちゃん、似合ってるよ」
屈託なく言ったのは桃香だった。その無邪気な声に莉緒はますます恥ずかしくなってしまう。
「じゃあ、お腹から漏れないようにテープをしっかりと留めて、と・・・・・・莉緒ちゃん苦しくない?」
わざとゆっくり、園児達の前で莉緒のお腹周りを調整しながら優子が聞く。莉緒は早く解放してほしいとばかりに大きく頷いた。
「じゃあ、桃香ちゃん、ちょっと手伝ってくれる?」
だが優子は、今度は桃香にそう言って莉緒の足を大きく開かせてしまった
「こうして、股周りのギャザーを外に出しておくのよ。そうしないとここからオシッコが漏れちゃうからね」
園児達に説明するように優子は莉緒の太もも周りに指を入れ、フリルのついたギャザーを丁寧に確かめていく。
「は、早く・・・・・・」
莉緒は泣きそうになりながら懇願した。しかしそんな莉緒の顔をのぞき込むと、叱りつけるように咲季が言った。
「赤ちゃんがしゃべらないの!」
「む、むぐぅ!!」
突如、口に何かを押し込まれ、莉緒は驚いた。
「オムツ交換できるまで、おしゃぶりでも咥えてるのね」
その言葉に莉緒は自分がおしゃぶりを咥えさせられている事を知った。ピンク色のおしゃぶりだと気づいた。どこか懐かしい乳首の感触が口の中に漂った。
「はい、おしまい。これでまたお漏らししちゃっても大丈夫よ」
優子は莉緒のペニスを確かめるかのようにオムツの前あて部分をゆっくりと撫でた。
「よかったね、オムツしてもらえて」
桃香もまるで妹にするかのように莉緒のオムツをぽんぽんと叩く。
「まったく、身体は大きいのにオムツなんて恥ずかしいわね。今度お漏らししたら私が替えてあげるからすぐにいいなさいよ」
そんな咲季の言葉も羞恥心の限界を超えてしまった莉緒には、どこか遠く聞こえるだけだった。