学級崩壊

とうとう朝がやってきてしまった。
今年中学生になった歳の離れた妹の愛ちゃんに小突かれながらパジャマを脱いで全裸になる。いつまでも大きくならない赤ちゃんみたいなオチンチンを見て愛ちゃんが笑う。「私のクラスになんて、もう剥けてる子もいるのよ。」だって。中学1年生より小さいなんて言われても本当の事だから言い返す事も出来ない。
着る様に言われたのはフロント部分にウサギの絵が描かれた女の子用のパンツにフリルとリボンのついたスリーマ。なんだか柔らかくて気持ちいいけど、こんなの着るなんて恥ずかしい・・・。愛ちゃんに急かされながら制服のブラウスを着てスカートを穿く。スカートから伸びた吊り紐を肩に掛けると、なんだか凄く情けない気分になってしまった。これじゃあまるで小学生・・・小学生の制服なんだから当たり前なんだけど。
さくらんぼの模様の靴下を穿いてから、とても目立つ真っ黄色の帽子を被り、愛ちゃんが去年まで使っていたランドセルを背負う。5年生を表す赤色の名札を付ければ、僕はもう完全に女子小学生の格好になってしまった。鏡を見る勇気はとても無かったけど、愛ちゃんは似合ってるって言ってくれた。本当は男の子だってばれたら恥ずかしいから似合ってる方がいいのかもしれないけど・・・・自分でも頬が真っ赤になっているのが分かった。
スカートを気にしながら階段を下りて、ハートの一杯付いたピンク色の子供靴を履く。玄関を一歩出ると足が震えた。
「ね、ねぇ、本当に・・・僕、この格好で・・・小学校に・・・生徒として通うの・・・?」
恐る恐る尋ねた僕に愛ちゃんはにっこりと笑って言った。
「当たり前じゃない。今日から優ちゃんは小学5年生の女の子になるんでしょ。」
あぁ、やっぱり現実だったんだ・・・・僕は風に揺れるスカートを気にしながら小さな声で呟く。
「い、行ってきます・・・。」
12年振りに背負った背中のランドセルが妙に重い。まさか24歳にもなって小学校に通う羽目になるなんて・・・。そう思いながら僕は勇気を出して一歩を踏み出した。

事の起こりは三ヶ月前。僕の受け持つクラスが学級崩壊してしまった事から始まった。初めは少しやんちゃな数名の男の子が授業中に騒ぐくらいだったのだが、元々子供が好きだというだけの理由で教師になった気の弱い僕には、その生徒達を叱り付ける事が出来なかった。結果、騒ぎはエスカレートして一ヶ月後にはすでに授業らしい授業は行えなくなっていた。加えて、とある女子生徒に対するイジメ問題も発覚し、僕は校長や学年主任からこっぴどく叱責を受け、挙げ句の果てはいじめられていた女生徒が転校してしまうという大問題にもなってしまった。
公立校ならそれで済んだ話かもしれない。しかし僕の勤めていたのは名門私立小学校だった。問題を公にしたくない学校側はとんでもない処分を僕に突き付けた。それは「いじめられて転校した女子生徒に替わって僕が女子児童として通学する事」だった。
学校側にとって、イジメによる転校などという事態は決して公表できる物では無く、その為には代わりになる『児童』が必要だという事だった。当然、そんな処罰を僕は拒否したが、学校側から多額の賠償金を要求されるにあたり(事実転校した女子生徒には多額の口止め料が支払われたらしい)屈服せざるを得なくなってしまった。
かくして僕は『生徒側の立場を経験する教育実習』の名目の元、小学5年生女子の森沢優希として私立聖マリアンヌ小学校に入学する事になってしまったのだった。

いつもの様にいつもの駅に向かいいつもの電車に乗る。違うのは僕の姿だけだ。すれ違う沢山の人達が僕に好奇の目を向ける。いくら僕が小柄だといっても小学生女子にしては大きすぎるからそれも当たり前だろう。名前は知らないけど毎朝会うサラリーマンやOLの人達も沢山いる。僕はとても顔を上げて歩く事が出来なかった。
電車に乗って学校までは8駅もある。大学まで揃った学校だから、駅につく度に同じ聖マリアンヌの学生達が乗り込んでくる。中等部からは女子校だから、僕と同じ小学校の男の子をのぞいては皆が女子生徒だ。
今年リニューアルされたばかりの中等部の可愛らしいセーラー服を着た女の子達が僕を指さして何か笑っている。男だってばれてたらどうしようと思うけど『背の高い小学生だね』。なんて噂されていたとしてもとてつもなく恥ずかしさを感じる。本当は僕の方が十くらい上なのに、僕の方が幼稚な制服を着さされているんだって思ったら涙が零れそうになってしまった。
やっと電車が駅に着いて、たくさんのお姉さん達と一緒にホームに降りる。朝の混雑する駅は沢山の子供達で危なくて、僕はこの間までは駅員さんに混じって誘導なんかをしたものだった。
でも今は逆。どう見ても僕より年下の駅員さんの指示に従って一列になって改札に向かう。同じ小学生に混じって『駅員さんありがとう』と小さな声で言ってみると、本当に自分が小学生になった気がして情けなくなった、でも、駅員さんにはお礼を言いましょうって教えていたのは他ならぬ昨日までの自分なんだ。
改札に定期を翳すと、『ピヨピヨ』と子供乗車券を示す可愛い音が鳴る。これって本当は犯罪なのかな。でも本当に僕の立場は小学生なんだし、駅員さんに聞かれたらきちんと見せることの出来る本物の児童手帳も持っている。ちょっとぎょっとした目で見られたので、僕は足早に駅を後にした。
「おはようございます。」
校門前ではこの間まで職員室で隣に座っていた諏訪先生が『朝のあいさつ運動』の当番をしていた。僕と一緒に入ったこの可愛い先生を僕は密かに思っていたけど、とうとう打ち明ける機会は無かった。こんな格好ではもう会わす顔も無い。僕は通学帽を目深に被って「おはようございます」って小さな声で言った。すると諏訪先生は僕の帽子を取り上げて、「もうちょっと元気よくしないとダメでしょ、森沢さん。5年生なんだから、低学年の子の見本にならないといけないのに。」だって。その目はちっとも僕を馬鹿にしていなくて、本当に女子小学生扱いしている様だった。僕は先生のそんなところが好きだったんだけど、それは僕にとってあまりにも屈辱的な態度だった。まだ笑ってくれた方が僕にはマシだった。
「おはようございます!」
それでも聖マリアンヌの教育の厳しさを思い出し僕は大きな声で先生にそう言って頭を下げた。その声で僕の事が知られてしまい、6年生のお兄さんお姉さん達が僕の格好を見てニヤニヤと笑う。まだあどけない顔をした可愛らしい子供達。あんな子より僕は下級生なんだと思うと、5年生の教室に向かう僕の足はまるで鉛の様に重くなってしまっていた。職員室の前を通り過ぎ、赤いランドセルを背負ったまま階段を上る。男の子が駆け下りてきてぶつかりそうになってしまったが、注意する資格は今の僕には無い。風でスカートがまくれない様に押さえ付けるのが精一杯だ。女の子っていつもこんなに不安なんだ。これからはその点にも注意して指導しようと思うけど、一体いつ教師に戻れるかは分からない。
深呼吸して教室のドアを開けた。昨日までの教え子が一斉に僕の方を見る。
「ホントだったんだ〜。」
クラスでリーダー格の三田彩名という女の子が僕の姿を見て笑った。
「でも、先生に森沢さんの代わりができるかしら?」
とても小五とは思えない口調で彩名ちゃんは笑う。僕は教師の時からこの生徒が苦手だった。
「ちょっと、朝の挨拶はどうしたのよ?」
無視して机に向かおうとする僕を彩名ちゃんが引き留める。挨拶っていったい何の事だろう。
「ほら、こっち来ていつもの様に挨拶しなさいよ。」
彩名ちゃんに手を引かれて僕は教壇に上げられる。たしかに教師時代の席はそこだが、恐らくそういう意味ではないだろう。
「はい、ここ上って。」
彩名ちゃんが教卓を手で叩く。僕はようやく理解した。森沢優希は毎朝こんな風にイジメにあっていたのだ。
僕は学校からの厳命で生徒達には逆らってはいけない約束をしている。つまり僕は優希ちゃんと同じ様にいじめられても仕方がない存在なのだ。教卓に上ろうとした僕の耳に彩名ちゃんが小さな声で囁く。そんな事を言わないといけないのか・・・僕は愕然とし、優希ちゃんがそんなにいじめられていることに気づかなかった自分を恥じた。
「せ、聖マリアンヌ小学校、ご、五年二組っ!森沢、ゆ、優希ですっ!」
僕は教卓に立って大きな声で言われたように挨拶する。下からは男の子達がスカートの中を覗いている。きっと女児用のショーツが丸見えになっているだろう。僕は恥ずかしくて死にそうになってしまった。
「わ、わたしは、今日も五年二組のみなさんの、奴隷としてペットとして家畜として、一生懸命お仕えしますので、どうか今日も可愛がって下さい!」
それだけ言うだけで顔から汗が出た。でも優希ちゃんの受けていたいじめはこんなものでは無かった。僕は彩名ちゃんの指示でスカートを捲り上げる。
「きょ、きょうの、優希のパンツをチェックして下さいっ!」
年頃の女の子が自分でスカートを捲って同級生に見てもらうなんて、とんでもない苦痛だっただろう。僕は優希ちゃんの気持ちになって恥ずかしいパンツを皆に晒す。
「ちょっと黄色くなってるんじゃない?女の子はいつもパンツを綺麗にしておかないといけないでしょ。」
彩名ちゃんに黒板用の長い棒でペチペチと股間を叩かれ、僕は耐え難い屈辱を感じながら、とてもこんなクラスで過ごしていけないと早くも弱音を吐いていた。
「男子達はどう?きょうのこの子のパンツは。」
彩名ちゃんが僕の股間を汚そうに見ながら言う。
「そうだな。ちょっと幼稚臭いかなぁ。」
クラスで一番乱暴者の幸平という男の子が僕のパンツを見て笑う。
「今時こんなパンツなんて、低学年のガキでも穿かないぜ。」
男の子達みんながつられて笑った。
「お前、いい歳して恥ずかしくねぇのかよ。」
まさに教師を教師とも思わない態度だ。子供達の柔軟性に僕は舌を巻いた。
「あっ、あのっ・・・」
だけど僕にもプライドはある。反論してはいけないと思いながらも僕は口から出る言葉を止められなかった。
「あのっ・・・こ、これは・・・私が・・選んだんじゃ・・・ないの・・・」
「だからどうだって言うのよ!」
「あひぃーっ!!」
その瞬間彩名ちゃんの持っている棒が僕の大事なところに突き刺さった。あまりの痛みに僕は教卓の上に膝をつく。
「あんた、まだ自分の立場分かってないわけ?」
「いたいっ!」
彩名ちゃんの平手打ちが僕の頬に飛ぶ。
「ほらっ!誰が座っていいって言ったの!」
「は、はいっ!」
彼女のあまりの恐ろしさに、僕は情けない事にそう返事をして再び立ち上がった。
「前の優希ちゃんはすっかり従順だったのに・・・もう一回躾け直してあげる必要がありそうね・・・・。」
彩名ちゃんは腕を組んで唇の端を上げた。
「まずは自分がペットだってことを思い知らせてあげるわ。男子達が気に入らないみたいだから、パンツ脱ぎなさい。そこに立ったままね。」
「そ、そんな・・・・」
僕は驚いた。いくらなんでもここまでのイジメは想像もしていない。昔はよく「かいぼう」なんていって、大勢で服を脱がしてしまうイジメがあったが、教卓に立たせて自分で脱げなんて、陰湿にも程がある。
「あら、出来ないのかしら?前の優希ちゃんは喜んでやってくれたけどなぁ。」
「き、君たち・・・・」
僕は目の前の子供達に心底腹を立てた。いや、違う。腹を立てるのは自分自身にだ。優希ちゃんを守れなかった僕自身に・・・・
「脱ぎ・・・ます・・・・。」
僕はそう言って、パンツに手を掛けた。僕だって大人の男だ。股間についている物をみれば、女の子達なんて圧倒されるに違いない。そんな打算もあって、僕は殊更恥ずかしくも無いようにショーツを膝まで下ろした。
「あははははははっ!!」
途端に聞こえる女の子達の大爆笑の声に僕は面食らった。
「な、なにがおかしい!」
僕は思わず教師のつもりで怒鳴ってしまう。
「だ、だって・・・ひーーっ!!」
彩名ちゃんが僕の股間を指さす。
「せ、せんせーのちんちん小っちゃすぎ!!・・・そ、それに、まだ、かっ!皮被ってるんだもん!!きゃはははははっ!!
何も言い返す事が出来ず、大勢の生徒達の前で僕は真っ赤になって立ち尽くした。
「ちょっと幸平っ!この子に大人のチンチンってやつを見せてやりなよ。」
彩名ちゃんがお腹を抱えて笑いながらそう提案した。
「ええっ!?こんなところでかよー」
そう言いながらも幸平君はズボンのベルトに手をかける。僕はドキドキしながらその様子を見守っていた。
「ちょっと!マジこんなところで脱ぐの?」
女の子達は抗議するが、どの子も真剣には言っていない様だ。皆がニヤニヤと笑いながら彼の下半身を見つめている。
「ほらっ、これが普通のチンコだぜ。」
そう言って幸平君があらわにしたペニスを見て僕は驚愕した。
「どうした?そんなに大したもんじゃないけどな。」
そう言って少し照れる彼のものの長さは僕の5倍はあるかと思われた。しかもその亀頭の先は完全に皮が剥けていて、太いカリの部分も十分に確認できる。僕はその時、自分の物が以下に矮小であるか生まれて初めて知った。
「どしたの、センセ?いや、優希ちゃん?」
彩名ちゃんが僕と幸平君のペニスを見比べて言う。
「でもいいじゃない。だって優希ちゃんは女の子なんだもんね。股間に大きなものがついてたらおかしいわよ。あら?」
彩名ちゃんは僕の股間を見て不思議そうに言った。
「まだお子様ちんちんの割には一丁前に毛まで生えてるじゃない。」
当たり前だ。僕だって成人男性なのだ。いくら包茎とはいえ陰毛も生えていないなんてありえない。だけど、彩名ちゃんは恐ろしい事を言い出した。
「これじゃあ四年生の女の子としては変よね。優希、ここに股広げて座りなさい。」
教卓を手のひらで叩かれ、僕は言われるまま足を開いてそこに座る。目線の高さで小さなペニスを見られ、僕は恥ずかしくて堪らなかった。しかしそんな僕の股間に彩名ちゃんの手が伸びる。
「折角だから、可愛いおちんちんに似合う股間にしましょうね。」
その手にはピンク色をした安全カミソリが握られていた。
「いやあぁっ!」
僕は知らずにそう叫んでいた。陰毛なんかを剃られたら、それこそ本当に小学生並の股間になってしまう。いや、幸平君の股間にはもううっすらと毛が生えているから、僕は小学四年生以下の性器にされてしまうのだ。しかし
「じっとしてなさい!間違って竿ごと切り落としても知らないわよ!」
その言葉に僕は恐怖して全く動けなくなってしまった。ジョリジョリという感触が股間に伝わり、あっという間に僕の股下はつるつるの赤んぼうの様な状態にされてしまった。
「あはははは!赤ちゃんチンコにお似合いの股になったじゃないか。」
僕を見て笑う幸平君のペニスは、なぜかさっきより大きくなっている様だった。
「なに大きくしてるのよ、イヤらしい。」
それに気が付いた彩名ちゃんが幸平君を肘でつつく。
「だって、俺がこういうの好きだって知ってるだろ。」
「そうね、あんたは女の子苛めて興奮しちゃうドSだもんね。」
小学四年生とは思えない恐ろしい会話が交わされる。そして、恐怖してそれを聞いていた僕の目の前に幸平君のペニスが差し出された。
「おい、優希!口でしてくれよ。」